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見え方の質 “Quality of Vision”

レーシックを行うと、夜間視力の低下/ハロ・グレア・スターバーストの発生/コントラスト感度の低下 など、見え方の質が低下してしまう事を心配されるあまり、手術を躊躇(ちゅうちょ)される方も多いと思います。

体験者の一人として、これらの心配は当然だと思いますし、現実に必ず発生します。問題は、一過性なのか永続的なものなのかと言う事ですが、受けられる方それぞれの眼の状態やライフスタイルが異なりますので、誰も明確に答えられないと思います。しかし、そんなマイナスの心配をよそに、レーザーのトレンドは「Quality of Vision」の時代に突入しています。海外の医療機器展示会等において発表される技術、論文、最新機器は、この見え方の質に言及するものが多くなりました。

このサイトでも、最新レーザーのFDAデータを公開していますが、最新レーザーの治験結果は、信じられないくらい高いです。-7.0Dくらいまでの近視であれば、治療さえ受けられれば、ほぼ100%の人が視力1.0以上を期待する事が出来ます。つまり、エキシマレーザーを使用して屈折率を補正し、正視(±0.0D)の状態へ改善するという当初の目的は、ほぼ達成されたと言って良いでしょう。そこで、メーカーが次に考えたのが見え方の質の向上です。最新レーザーにはWAVEFRONT(正確にはWAVEFRONT-GUIDED)という技術が取り入れられています。これは、各個人の角膜の状態を解析し患者それぞれにオーダーメイドのレーザー照射を行い、低次/高次収差を可能な限り補正するという技術です。この補正を行う事で、近視/乱視/遠視を治療するだけでなく見え方の質を向上させる事が可能になりました。

そもそも、近視/乱視/遠視の眼というのは、網膜上に光を正しく集められていないのです。この歪み(低次収差)を補正する事で、あらゆる角度から眼に入ってきた光を網膜上の1点に正しく収束させる事が出来ます。それにより、分散しやすい長波長の光(赤い色です)と拡散しても届きやすい短波長(青い色)の光が正しく合成され、色彩に対する感度の向上が期待出来ます。また、夜間のように薄暗い中でも、より多くの光を集められるため、夜間視力の向上さえ期待出来ます。明所/暗所コントラスト感度に関しても、より多くの光が集められるので細かな諧調まで見分けられるようになる可能性があります。実際に、FDAに提出された各レーザーメーカーの申請書を見ると、夜間視力やコントラスト感度が向上した割合が記載されていたりします。WAVEFRONT-GUIDEDでの結果の方が、スタンダード照射より良い結果である事は言うまでもありません。(機種毎に、質に関するFDAデータを比較した記事はこちらです)

また、WAVEFRONTでの照射を行わなくても、正視の状態に近づく事で、より多くの光が一点に集まるようになっています。だから、術後、誰もがしばらくは光をまぶしく感じるのです。極端ですが、磨りガラス越しに太陽を見ながら、磨りガラスをいきなり外して太陽を直視するようなもんです。もちろん、術後は角膜に濁りがあったり実質層切断面の癒着がゆるいため切断面で拡散しやすく、こういう要素で角膜を透過した光が拡散し、白内障のように、より広い範囲の視細胞に光が当たってしまった事で光を眩しく感じてしまうという事もあります。なお、レーシックを行うと高次収差は増大しますが、それよりも低次収差が劇的に改善されるため、視細胞1個毎に届く光量は圧倒的に大きくなります(虫眼鏡を使って光を集めている様を想像してください)。なお、海外の臨床データを見る限り、「WAVEFRONT-GUIDED +マイクロケラトームフラップ」よりも「スタンダード照射+イントラフラップ」の方が高次収差の増加を抑え、低次収差の補正率も高いようです。その結果、1.0(20/20)以上に回復した患者のデータを比較しても後者の方が、1.25(20/16)以上の視力を得られた人の割合が25%程度多くなっています。

では、なぜこれらを心配する人が多いかというと、見え方の質が向上もしくは術前と変わらない人が80%いたとしても、残りの20%は低下してしまっているという事実があるからです(視力に関して、術前より下がることはまずありません。レーシック手術が直接原因の失明もゼロです)。事実としてある以上、病院はリスクマネージメントとして、起こりうる問題を説明しないといけませんし、患者の立場としても、100%ではない以上、マイナスの要素をクローズアップしてしまう事は仕方が無いと思います。

また、眼球の屈折率を修正したからといって、必ず視力が上がる保証はありません。なぜなら、近視の人は眼球が変形してしまっている事が多いので、そのために網膜の細胞密度が低くなっている可能性があるからです。網膜に光を集めたとしても、そこに、明暗や色彩を感じる細胞が無ければ、何も見えません。度数は±0なのに、視力0.5ってのもありえます。逆に、いままでのボケた状態で網膜に光が届いている状態では多くの細胞に光が当たっていたのに、光を集めてしまったが為に、反応する細胞数が減ってしまい、それによってコントラスト感度が低下することもありえるのです。手術前に夜盲症(=鳥目)(暗いところで明暗を感じる細胞が先天的に少ない、感度が悪い、または後天的にビタミンA不足で感度が落ちている状態)の人がいたとして、その人はボケた状態で光を感じていたからかろうじて見えていたなら、面から点による感知に変わった時点で明暗を感じる細胞に光が当たらないようになり、夜間視力が低下した。と感じる人もいると思います。なお、この記事は見え方の質に関して光の収束(レンズ)と視細胞(フィルム)と言う切り口からのアプローチであり、これが全ての原因ではありません

残念ながら視細胞は一度死滅すると再生しないので、今ある細胞を活性化させ、健康に保ってやる努力が必要です。ルテイン/アスタキサンチンは視細胞の老化防止に非常に効果的なサプリです(臨床試験も行われている)。

私の場合(WAVEFRONT-OPTIMIZED)、幸いにも明所/暗所コントラストは向上しました。視力も2.0出ています。視細胞密度が低くなっていなかったようです。ただし、手術直後2週間ほど、一時的にコントラスト感度が下がりました。パソコンの液晶画面の明度/輝度を2段階ほど上げないと術前同様には見えませんでした。これは角膜の傷やドライアイ、イントラレーシック特有の角膜の濁りなどにより、光が角膜付近で反射してしまい、網膜まで届いていなかったからだと思われます。脳が慣れた。という事もあるでしょう。今は術前と同じ明るさでも快適に見えてます。ハロ/グレアに関しては今もまだありますが、まだ手術後1ヶ月程度なので仕方ないと思っています。

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コメント (1)

はなこ:

Raptorさんはじめまして。
友人がイントラレーシックを受けたことに触発されて、レーシックを受けたいと思い、色々検索したところこちらにやってきました。
こちらは、クリニックの案内や、本などに書いていないことがたくさん書かれていて、とても勉強になります。このようなサイトを作っていただきどうもありがとうございます。

さて、こちらのページを読んでいて疑問に思ったことがあります。
このページのおよそ2/3の箇所

>また、眼球の屈折率を修正したからといって、必ず視力が上がる保証はありません。

以下に書かれている内容についてです。
網膜の細胞密度がどれくらいかが手術の前に分かれば、術後の視力の改善の度合いが予想でき、思いのほか視力が向上せず不満が残るといったことがなくなると思います。

ところで、網膜の細胞密度はレーシック前に測定しているのでしょうか?しているとすればどの検査でしているのでしょうか?

それからメガネやコンタクトで矯正する仕組みとレーシックで視力矯正する仕組みは「光学的に正しく光を網膜に集める」という点で同じように感じます。ということはメガネやコンタクトで適正に矯正できているとすれば網膜細胞の密度が低くないと考えてよいのでしょうか?

網膜細胞の密度についてはレーシックの結果の満足度に大きく影響する要素だと思いますが、このことについて触れている本やサイトが見つけられませんでしたのでこちらで質問させていただきます。もし、質問の内容が的外れでしたら申し訳ありませんが、よろしければお教えいただければとても助かります。

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2007年04月09日 15:40に投稿されたエントリーのページです。

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